漫画『ドラゴンボール』作者で知られる漫画家・鳥山明さんが、死去した。68歳。訃報を受け、中国外務省の定例記者会見で記者が質問、同省スポークスマンが回答する一幕があった。
中国の有名な『西遊記』が設定
同省定例記者会見で記者は、『ドラゴンボール』は中国の有名な『西遊記』を素材としているが?と質問。
『西遊記』の設定は、主人公の孫悟空の名前と、『ドラゴンボール』初期の展開ぐらいしかなく、むしろその後の怒涛の展開により、『西遊記』色は失われていくとも感じられるが、中国外務省に質問するにはこうした切り口が有効と考えられたか。
中国外務省も哀悼、お悔やみ
普段はこの記者会見の場で日本や欧米、世界各国にかみつきまくることで知られる女戦狼外交戦士、外務省スポークスマンの毛寧氏はこの質問を受け、「我々や鳥山明先生の死去に深く哀悼の意を示し、先生のご家族に心からお悔やみ申し上げます」と語り出した。
世論に敏感な中国政府
続けて「鳥山先生は著名な漫画家であり、先生の作品は中国でも深く受け入れられています」と紹介。
その上で「我々は少なくない中国ネットユーザーが先生のご冥福をお祈りしていることを知っています」とした。
中国ネットユーザーが鳥山先生にこぞって哀悼の意をささげているのはその通りだが、中国政府がその動向を注視していることも、これで明らかになった。
中国は強権で何でも自由にできる、と考えられがちだが、独裁だからこそ極めて世論に敏感、という側面もあり、外務省スポークスマンの今回の発言で、それが如実に示された形。
最後のまとめが戦狼的
続けて「我々は、日本がより多くの有識者による中日文化交流や両国の友好事業に積極的に身をささげることを期待、信じている」とまとめた。
鳥山先生があたかも中国主導の両国交流・友好事業を行った一人と、上から目線で決めつけるような言い回しは、さすが中国外務省といったところか。
しかし、最後のまとめで、これで日本側が「そうですね!」と納得、中国に協力的になると思い込んでいるところに戦狼病の根深さがうかがえる。あるいは、あえて日本を挑発しているのか、どちらにしろ頭おかしいと言わざるを得ない。
コメント
日本の著名人がなくなると、中国外務省はよく哀悼の意を表します。でも中国外務省が哀悼の意を表すのは、日本の戦争犯罪を認めて謝罪、戦争反対している人のみ、という指摘も。どんな基準なんだか。。