2024年3月に開催された中国の国会に相当する両会(中華人民共和国全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)で、中国人民政治協商会議委員の洪明基氏はメディアの取材に応じ、オンラインゲームのプレーは危害が大きすぎて、禁止すべきだ、との認識を示した。
香港人が中国の国会会期中に発言
洪氏は香港の財閥、洪氏集団の一員で、現在はその副主席(ナンバー2)を務めており、その傘下の食糧油などを手掛ける合興集団の実質的トップに就任している。
洪氏によれば、オンラインゲームは我々の子供たちの目を毀損し、人間として最も貴重な情愛を圧殺している、と指摘、18歳以下の未成年のオンラインゲームを全面的に禁止すべきだ、と主張した。
洪氏は、現在のオンラインゲームは中毒性・依存性を抑える機能が設置されているものの、それが効果を発揮しているとは思えず、中国未成年者のオンラインゲームの中毒性・依存性は引き続き社会問題だ、とした。
中毒性・依存性を抑える機能の改善を進めたところで、オンラインゲームのプレイ時間を完全にはコントロールできない、とし、オンラインゲームをコントロールする効果手計な手段がない場合、国に未成年のオンラインゲームを全面的に禁止する政策の発表を働きかける、とした。
賛否両論の激しい議論
洪氏の主張は、ハッシュタグ付きで中国のネット上で一躍トレンドワードになり、多くの議論を呼んだ。賛成派もいれば、反対派もいる。賛成派の意見としては、サッカー場やバスケットコートをたくさん作り、未成年者に無料で開放した方がよい、などが見られた。ゲームよりはスポーツしていた方が未成年者の心身に良い、という考え。
反対派の意見の中には、「なぜオンラインゲームだけなのか?」として、「中毒性はショートムービーにもあり、オンラインゲームの次はショートムービーが規制されそうだ」などの声がある。
また、Eスポーツが今やオリンピック競技に組み込まれていることから、若手のEスポーツ競技者の育成という観点から見ても、18歳以下の未成年にオンラインゲームを完全に禁止させる、というのは時流にそぐわない、などの意見も見られた。
未成年の全面禁止に現実味?
中毒性・依存性を抑える機能の義務化など、中国ではもともと未成年者のオンラインゲーム規制をその都度強化してきた。その流れの中に、当然最終的には未成年者のオンラインゲーム全面禁止は選択肢としてはありそう。
日本では未成年オンラインゲームプレー時間規制の条例が出るだけで大騒ぎになるが、中国では強権が発動しやすい環境にあり、現状の中国の強権は明らかに若年層のオンラインゲーム中毒・依存を快く思っていない。
ゲーム大手のテンセントなどは戦々恐々かもしれないが、現状の中国の強権は民間ITのことなどなんとも思っていない節もあり、現状の中国の強権が、中国国内では中立的な立場と考えられがちの香港人の洪氏にこれを言わせた可能性すら予測できる。
翻訳元:https://www.myzaker.com/article/65e91ede8e9f09595e41d3e4
コメント
これは未成年の子供がいると、「うん、理解はできる」と実感する。。