中国のEV新興メーカー「高合(HiPhi)」が2024年2月になり、2024年1月の給与支払いの後ろ倒し、2023年ボーナスの不支給、全従業員の給与カット、さらに、春節明けには工場での生産を6ヶ月停止することが分かった。
ライブコマース展開の従業員
同社の工場作業者は春節休み明け、出社しても工場が閉鎖されており、出社できない状態に。そんな中、同社の一部幹部やスタッフがステーキなど食品などをライブコマースしていることが明らかになった。
少しでも経営の足しになるように、とのことだが、こうした試みが行われるのは、あまたの倒産した中国EV新興メーカーの中でも例がなかったことで、ユーザーからは「がんばれ!」などの声援も見られるが、基本的には悪あがきにしか見えない。
ライブコマース転身で成功事例
ライブコマースは日本ではあまり浸透していないが、中国では爆発的な普及を見せている。最近でもオンライン塾事業者「新東方」が当局の塾規制にあって業態をライブコマースに変更、オンライン塾のカリスマ教師たちがいきなり商品説明上手なインフルエンサーとなり、ライブコマースで大成功させた、という事例もある。
HiPhiもこうした風潮に倣ったもの、と思われるが、同社の上層部は「彼らの独自の判断であり、会社として行っているものではない」としている。それならばなお一層、ライブコマースをして会社に貢献しよう、という、涙ぐましい努力とも受け取れられる。
超高級EVのブランディング
しかしHiPhiはもともと日本円で1000万円を超える超高級EVの販売で注目、月々数百台売れていた超高級ブランド。最近では600万円ぐらいの、それでもやや高めだが、普通のラグジュアリーを出して、それがずっこけの原因になったように思える。
どちらにしろ、背に腹は代えられないとはいえ、超高級ブランドがあくまで大衆向けとなるライブコマースをして、そのブランディングに問題はないか、気になるところ。
HiPhiの創業者兼社長は現在、資金繰りに駆け回っている最中。中国国有大手メーカー長安がHiPhiを買収するのではないか、との観測もあるが、依然先行き不透明だ。
翻訳元:https://auto.gasgoo.com/news/202403/8I70384991C501.shtml
コメント
今は大手と呼ばれる中国新興の中でも、徐々に厳しくなってきている中華EVが散見されるようになっています。みなが皆、イケイケどんどんのわけもなく、中国では峻別が進んでいます。