河南省の統計局は2024年3月30日、「2023年河南省国民経済・社会発展統計公報」を発表、自省を含む中国中部6省の常駐人口の変動状況を細かく発表した。それによれば、すべての省で前年と比べて常駐人口が減っており、特に河南省では前年よりも57万人少なくなった。人口の自然減が9.2万人だが、単純に40~50万人、年間で省外に流出したことになる。
対象地域はどこ?
対象の省は、河南省、湖南省、安徽省、湖北省、江西省、山西省。中国でも内陸部と沿海部の間、どちらかと言えば内陸部寄りという感じ。
どんな状況?
23年末人口 (万人) | 前年比 (万人) | 23年出生数 (万人) | 23年死亡数 (万人) | 人口自然減 (万人) | |
河南省 | 9815 | -57 | 69.5 | 78.7 | -9.2 |
湖南省 | 6568 | -36 | 39.5 | 59.8 | -20.3 |
安徽省 | 6121 | -6 | 39.4 | 52.3 | -12.9 |
湖北省 | 5838 | -6 | 32.0 | 50.4 | -18.4 |
江西省 | 4515 | -13 | 29.5 | 33.3 | -3.8 |
山西省 | 3466 | -15 | 21.3 | 29.1 | -7.8 |
いずれも人口減だが、人口減が人口の自然減を下回っているのは、外部からの流入があった証か。
該当するのは、安徽省や湖北省。安徽省は江蘇省、さらにその先には上海があって、また、湖北省は巨大都市、武漢市を抱えている。
2022年、この6省は2021年と比べて、いずれも人口が増加していた。それがわずか1年で、人口減に転じ、しかも湖北省。安徽省以外は人口自然減に加え、省外への流出が激しくなっている。
より深刻なところは?
母数がまだまだデカく、1省が世界基準では一国分の人口を抱えていることになってはいるのだが、今後これらの省の人口減は加速していくことが予想される。
この中部6省よりも西、さらに内陸に相当する地域は、成都市や重慶市、西安市などを例外として、より厳しい状況だと思われる。
また、一貫して貧困地域であり、なかなか産業振興しない東北部は、より深刻だろう。
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