中国の王毅外相は2024年3月7日、台湾問題のエンドラインを明示した。台湾についての王外相の発言は以下。
王外相の発言全文翻訳
「一つの中国」を堅持することを徹底すればするほど、台湾海峡の平和はより保障される。我々の政策ははっきりしており、最大の誠意によって、平和統一を勝ち取るビジョンを続けることだ。我々のエンドラインもはっきりしている。つまり、台湾を祖国から分裂しようとすることを決して許さないこと。台湾島内の誰かが台湾独立を模索すれば、必ず歴史的な清算に遭遇する。国際的に誰かが台湾独立を支持すれば、必ず自身の身を焼くことになり、自業自得となる。
翻訳元:https://baijiahao.baidu.com/s?id=1792834583579499719
誰も文句ない発言内容
さすがに中国、強めには感じられるかもしれないし、実際日本では引き続き「強気」姿勢などと報じられているが、この発言だけであれば、原則として誰も文句は出ないのではないだろうか。

「一つの中国」を容認し、台湾独立を否定する米国も日本も、完全にこのようなスタンスに立っており、中国が本当にこの姿勢であれば、そもそも対立は発生しない。
台湾の世論も、95%前後が現状維持を希望しており、党派に限らず、この発言に積極的にではないにしろ、まあそうだよね、と受け入れられるはず。
つまり、台湾問題について、中国だけがおかしなことを言い続けている、ということをこの発言からも読み取れる。
中国が改めれば問題解決
米国も日本も、そして台湾も、中国が武力による統一も辞さないことを標榜するから、反発するのであって、つまり中国の武力による現状変更は認めない、という姿勢。
ただ、今回の王外相の発言では、「武力」のぶの字も出てこない。

「武力」を明示するかしないかに限らず、中国は台湾の民進党は一枚岩の台湾独立派だ、と決めつけ、民進党政権に近寄ろうとする日米を徹底的に避難する、という構造。
ただ、日米は民進党政権に近づいているのではなく、2000万人以上という小さくないボリュームのある地政学的に極めて重要なエリアの政権と、対話を構築しているだけであり、民進党政権だからではない。今単純に民進党が政権を握っているからにすぎない。
つまり、今回の王外相発言が中国の国是となり、「武力」をちらつかすことなく、中国が頑なに民進党を一枚岩の台湾独立勢力という硬直した考え方を放棄、台湾世論を尊重すれば、台湾の現状は維持され続け、三方丸く収まる、ということ。
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