レンジでチンしたり、温めるだけですぐに食べられる食品「預制菜」の豚肉料理で、中国の法律では食用にしてはならない、劣悪な部位の肉が大量に使われていることが分かった。中国でも人気の「扣肉」という、豚バラなどの4割ぐらいが脂身のお肉をトロトロに蒸す(又は弱火で煮る)料理。問題のあった商品は、人気ライブコマースでも広く販売されており、中国でも注目されている。
コストを浮かせようと違法肉
3月15日の世界消費者権利デーに合わせて、中国消費者の権利を阻害する会社や製品を徹底的に叩くCCTVの番組、CCTV315という番組で報じられた。毎年注目される番組で、ネット上のアーカイブ含めて、毎年数億人が視聴する。
その番組によると、通常の豚バラが500g当たり12元(約240円)に対して、問題の商品に使用されている劣悪豚肉は3元(約60円)。
その劣悪豚肉は、豚の頭と豚の頭と胴体の間、首の付け根の上部にある肉とされ、中国語では「槽头肉(槽頭肉)」と呼ばれている。この部位の日本語は調査したが、正直分からなかった。ご存じの方はコメント欄でお知らせください。
どんな違法肉?
槽頭肉は、大量のリンパ節、脂肪腫、甲状腺を含んでいるため、豚肉の中では特に整形、処理が必要な個所とされている。日本語で言うリンパ肉は、食用に供しても問題ない、とされているため、この槽頭肉とは違うものか。
ゴミ肉とも称される槽頭肉は、中国の法律では食用にしてはならない、と明確に規定されているという。ただし、実際に今回使用されば豚肉は、食用に供しても問題ないいわゆるリンパ肉も含まれていたようで、それは処理がずさんでリンパが残ったものだったという。
番組で取り上げられた食品加工工場には、「槽頭」と記された大量の袋が野ざらしに置かれており、工場側が故意に「槽頭」を使用し、その管理もずさんだったことが明らかになった。
番組中に公安も動き出す
今回発覚したのは、いずれも安徽省阜陽市の企業で、3社が名指しされている。阜陽市当局によれば、番組(現地時間20-22時。本件は21時前のコーナーで取り上げられた)で本件が取り上げられてすぐに公安と連携、3社の代表者を呼び出し、事情を聴いていると表明した。
いつものごとく、22時の番組終了前までには、京東、天猫、淘宝、拼多多など中国を代表するECプラットフォーマーが一斉に該当商品の表示を停止した。消費者権利保護で著名な王海氏は、小楊哥と東方甄選という著名ライブコマースが該当商品を取り扱ったことがある、と指摘した。
ライブコマースでも
王氏によれば、ライブコマースの短時間の配信で、小楊哥は24.2万件を受注、総額1400万元(約2億8000万円)以上を売り上げた、という。東方甄選は5.3万件を受注、317万元(約6340万円)を売り上げた、という。
これに対して、東方甄選は声明を発表、「該当商品は提携業者からのものであり、本件は提携業者を通じて返金の対応を進める」とした。その後王氏は、返金だけでは生ぬるく、返金額の10倍程度の賠償金も必要、などの見解を示している。
いや、現場がそもそも不潔
人気ではあるものの、もともと「預制菜」全体に対して、中国人は加工現場の清潔感や仕様素材に対して懐疑的な人も多かった。今回の番組内容はそれに拍車をかけることになる可能性もある。
色々問題あるけど、本記事で使った写真はいずれも番組で流れたもの。食品加工の現場としては、日本人には受け入れられないほど不潔感が漂っている。こんなところで作られた食品を口にするのか、と考えると、そもそもぞっとする。
槽頭肉の使用という、中国では違法行為なのだから罰せられるのは当然として、さらにその上で食品加工現場の不潔さ、衛生上の改善も求められてしかるべきなのだが。
翻訳元:https://haokan.baidu.com/v?pd=wisenatural&vid=12935227151823168354
コメント
食にすごくこだわりを持つ中国人なんだけど、その現場がこれだとキツイねw