河北省廊坊市に所属する三河市の燕郊という場所で2024年3月13日、現地時間8時前に唐揚げ店でガス燃料が漏れて引火したことによる爆発事故が発生、同日同23時までに7人が死亡、27人が負傷した。事故のそのものに関してはこちらから。この事故において、CCTVの記者が現地当局救助活動者に取材を妨害された、としてクレームを発表、現地当局が謝罪に追い込まれた。
CCTVの生放送で本件事故を報じた報道番組で、中継していた記者が確かに追い出されるような形で、中継が中途半端な形で終わったアクシデントも発生していた。CCTVでこのようなアクシデントが発生するのは確かに異例。
CCTV記者によると、現場にカメラを向けると、スタッフから制止されて、カメラを下に下げられた、という。また3人の記者が数十人のスタッフに押し出された、という。「人民に重大な事故の情報を正確に伝えるために必要な取材であり、妨害はありえない」「救助活動を邪魔するようなことはしていない」「情報操作のために、メディア記者の正常な取材を妨げるべきではない」などと怒りを示した。云々
情報操作を行っているお国柄の人々が何を言っている感は強いが、これに対して、現地当局は平謝りだ。
当時は現場に依然としてガス漏れの危険性が拭い去れなかった状況。しかも救助活動の最前線スタッフは、メディア対応に不慣れで、不遜な態度になったかもしれず、友人たる記者の方々に誤解を招いてしまったかもしれない。関連スタッフには厳罰を処し、別のスタッフに、今回の友人たる記者の方々にお詫びを伝達させた。云々
混乱する事故現場
中国ではどちらかと言えばCCTVの言い分が正論、ととらえられている。「地方の、田舎の当局者は学がない」ぐらいの反応だ。しかし、緊迫した事故現場で、爆発の原因となったガス漏れがまだ存在している可能性が否定できない状況で、むしろ記者の人命を守る行為だったとも思える。
もしこれで残っていた漏れたガスに引火し、たちまち爆発が起こり、記者の人命に関わっていた、とすれば、状況は全然違ってくるだろう。
CCTVはいわば日本のNHKを数倍大きく、中国共産党のためだけに奉仕する国営メディアだ。日本のNHK、あるいは日本のジャーナリストと呼ばれる人々にもみられる、自分が神であると錯覚したような態度が、今回のCCTV記者にも見られた。
実際、CCTV記者は中国では神扱いされ、誰も歯向かえない状況ではあるが、その傲慢さが、この重大事故でも発露してしまった点に注目したい。
現地政府の隠ぺい体質も?
また、現地政府も同じ穴の狢だ、との指摘がある。取材を妨害することで、少しでも被害の大きさ、状況の深刻さを伝えないようにするため、とも。現地政府の責任逃れ、隠ぺい体質が現れている、とも。
もちろん、そうした側面はあるのだろうが、このネット時代にCCTVの取材を妨害したところで、隠ぺいできる、とは、さすがに現地政府も考えていないのではないだろうか。この事故の動画はもうすでに中豪のネット上に様々な角度のものが拡散してしまっている。
ただ、3月に安全に関する会議や活動が行われていた矢先だったこともあるので、どうにか責任を小さくしたい思惑は、現地政府にも間違いなくあっただろう。
コメント
北京通勤圏内の人が、CCTVの中継を妨害すれば大問題になるぐらい、さすがに分かりそうな気もするのだが。。不思議だw