TikTokを米資本に14兆円で売却?「中国政府が認めるはずない」の声

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TikTokを運営するバイトダンスは2024年3月10日、その傘下のニュースアプリ「今日頭条」公式アカウントで、ロバート・コティック元アクティビジョンCEOがバイトダンスファウンダー張一鳴氏と、TikTok買収に関して協議、サム・アルトマンOpenAI最高経営責任者とともにTikTokを1000億ドル(約14兆円)での買収を計画していると報じられたことに対して、事実ではない、とした。現在、張氏はどのような人物とも、これに関する協議をしていない、とした。背景には米国で進んでいるTikTok禁止法案と、「もしトラ」あるいは「ほぼトラ」が関係していそう。

米でTikTok禁止法案

先日、米下院議会エネルギー・商務委員会でバイトダンス傘下のTikTokを切り離す法案を満場一致で可決、米会員は2024年3月12日、あるいは13日に、バイトダンスに対して6ヶ月以内に傘下ショートムービアプリTikTokを切り離す法案を可決する見込み。米国に対する安全保障上の脅威、とみられている。

同法案の中国側の反応

これに対して中国外務省は、我々は一貫して、データセキュリティの問題を個別の国の汎用的な国家安全概念とすべきではないし、国家権力を乱用、他国の企業のツールに対する圧政をすべきではない、と主張。

その上で、米国は今に至るまで、TikTokが米国の安全保障に脅威となるといういかなる証拠も提出していない、と指摘。

米国は速やかにデータセキュリティの問題において虚偽の情報の流布を止めるべきで、関連企業へのプレッシャーを停止、各国企業の米国投資や経営に開放、公平、公正、非蔑視のビジネス環境を構築すべきだ、とした。

国家安全、反スパイなどは中国の独壇場であり、それを微塵も見せずに米国は批判する姿勢は、なかなか世界には受け入れがたいものとは思われる。

バイトダンスも反対

バイトダンス側も、「どのように取り繕おうとも、この法案はTikTokを徹底的に禁止するものだ。この立法は1.7億人の米国人の権利を踏みにじるもので、500万社に及び中小企業のビジネス的成長を妨げるものだ」としている。

米大統領は署名の構え

1ヶ月ほど前に、米大統領選のためか、TikTokを開始したバイデン米大統領も、TikTokの米国内での配信を事実上禁止する今回の法案について、議会で可決されれば署名して成立させる考えを示している。

トランプ氏は法案反対の姿勢

一方の、米大統領選での対立候補であるトランプ氏は、この法案に対する反対姿勢を示し、TikTokは弾圧されるべきではない、とした。理由として、TikTokの弾圧は、競合であるフェースベックの利益になり、もしTikTokを取り締まれば、ファイスブックの利益は倍増する、というもの。個人的なフェースブックへの恨みからのもので、大統領候補として安全保障面への配慮は見られない。

今回のコティック氏、アルトマン氏によるTikTok買収報道は若干勇み足のきらいはあるが、現在の状況や今後の米大統領選を見据えれば、ないことではない。ただし、中国ネット民からは「中国政府がTikTok売却を許すはずはない」などと否定的な観測が広がっている。

翻訳元:https://mbd.baidu.com/newspage/data/landingsuper?context=%7B%22nid%22%3A%22news_9128411512422999633%22%7D&n_type=-1&p_from=-1

コメント

  1. 14兆円だと、トヨタの4分の1。米国のみなのか、全世界なのかによって評価は違ってくるけど、TikTok、勢いから考えてもう少し高いような気がする

  2. テスラの上海工場を中国が接収するような対抗措置に出る可能性もあるな

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