悪臭タクシーの確率が高くなっている！中国でタクシー車内におい問題

「悪臭のタクシー(配車)にあたる確率がますます高くなっている」と中国の昨今のタクシー事情を批判した男性のショートムービーがバズっている。賛同するコメントも多く、これを機に昔の嫌な思い出を吐き出してしまえ、というほど、ユーザー個々の悪臭タクシー話で盛り上がっている。においの強い、弱いで、まさにタクシーガチャとも呼べる状況のようだ。

中国ネット民の経験談

「この間タクシーに乗ったら、乗った途端眩暈がした。たばこのにおいが強烈で。十数分の走行だったけど、その後2-3日気持ち悪かった」

「これ、本当にそう。この間の配車もすごく臭くて、たばこや、意味不明なにおいが充満していた。窓を開けてもダメ。車内で呼吸すら難しかった」

「ビッグデータ使って、俺の生活覗き見た？　2-3日前に悪臭タクシーに乗った。もうひどい匂いで、窓を開けても解決せずに、強烈なにおい。降車後に思いきり深呼吸してもあまり意味なく。中毒症状に」

「この間同僚と悪臭タクシー乗ってまさに悪夢。この世にこのようなにおいのする車があるのか、と。目の前に悪臭を出す袋でもかざされているのかと思った」

中国タクシーはどうして臭い？

これについて、分析している記事があった。それによれば、自動車の内装にはそもそも独特のにおいがある。原材料から何から、すべて組み合わさって、化学臭がするのが基本。その上で、使用し続ければ、車内温度も影響して、揮発性の化学物質が解き放たれる。

それに加えて、運転手の衛生状況も関わっている。中国では特に、北方の人は毎日はお風呂に入らない。衛生観念がそもそも個々人のものである上、ずっと座り続けており、ずっとストレスを抱え、疲れ切っていれば、脂肪を豊富に含んだ体液が出て、体表に出た体液が微生物により分解され、それがにおいの原因となる。

中国の運転手は、車内で平気でタバコを吸うのも原因。もちろん、乗客を乗せた時の喫煙は中国でも禁じられているから、そうした行為をする運転手は少なくなっているが、問題は乗客を乗せていない時。停車して外で一服、ではなく、流しの最中の車内で喫煙するから、車内に悪臭が残る。

また中国の運転手は、食事を車内で済ます。忙しいのもあるので、場合によって、流しの最中、さらには乗客を乗せた状態でも軽食を摂っている場合がある。その食べ物そのものもにおいを発しており、運転中の飲食だから、食べこぼしも普通に多く、そうした肉眼でも確認できないほど小さい食品が腐り、変質し、悪臭のもとになる。

車内の空調をオンにするのが悪臭対策には効果的とされる。これは様々なデータを見ても間違いない。しかし、そもそも空調が故障して使えない状態だったり、空調を使っていても、空調そのものの掃除をしなかったりで、むしろ空調が悪臭の原因になってしまっているケースも多い、という。

翻訳元：https://baijiahao.baidu.com/s?id=1793594090166771468&wfr=spider&for=pc

日本とのタクシー環境の違い

トンデモな世界観だが、これが中国の現実。車内のしっかり清掃、換気、空調等の裏側の掃除などを徹底すれば解決はする問題だが、それがなおざりにされており、多くのユーザーが不快感を覚えている。

今では空気清浄機能の付いている自動車も多いが、そうした高機能なものが付いている自動車がタクシー車両に採用される可能性は低いし、空気清浄機能も日々のメンテは欠かせない。運転手だけに問題があるのではなく、乗客をたくさんとっかえひっかえ乗せるため、一部の乗客の異臭が車内に残る可能性もあるだろう。

日本では、こうした批判は多くない、と思われる。実際、日本でタクシーに乗り、車内のにおいが気になるな、というのは、昭和・平成初期はともかく、平成以降あまり記憶にない。

日本では、時々路肩にタクシーを停めて、外で一服したり、おにぎりなどの軽食を食べている運転手を見かける。交通ルールに準じており、誰にも迷惑をかけていなければ、全然問題ないことだと思っていたが、中国のこうした事情を見ると、日本のタクシー運転手の車内環境に対する気配りの高さがうかがえる。

安すぎる中国タクシー

中国のタクシー初乗りは10元ほど。つまり200円ぐらいだ。日本の半分、3分の1の水準だ。中国のタクシーはすごく安いから、みんな乗りたがる。だから問題も大きくなる。

また、この料金だから中国のタクシー運転手はとにかく客を捕まえることに執着しやすい、というのもありそう。

若い世代で極端な潔癖症

ただ、これは大都市、小都市に限らず、確かに中国のタクシーは車内で悪臭を放っていることも多い。しかし、特に大都市では、一応経済成長を果たし、豊かになると同時に、においに対する過敏さも相当なものになっている気がする。

中国の若い世代と話していると、潔癖症過ぎる、という面も多々見られ、大都市の若い世代の意識や価値観とも関連している気もする。