高級酒の空瓶回収、なんと1本6000円、それに安価酒を入れて再販

高級酒の空瓶を高額で買い取るインターネット上の書き込みが中国であふれている。茅台酒のような高級な白酒がメインで、高いものだと200元(約4000円)で買い取ってくれるらしい。業者はそれをもとに、その中により安い酒を入れて、本物に見せかけた偽物を作り、再販するという。

空瓶が20万円の場合も

中国のECサイトで検索すれば、高級酒の空瓶の回収の様子がうかがえる。いずれも高級酒の空瓶を求めるもので、価格はそれぞれ違うが、数元(約200円未満)から数百元(約20万円未満)のものまである。茅台酒のものが最も多い。限定酒に関しては空瓶が1万元(約20万円)を超えるものまである。

中国現地メディアがそのうちの一社に聞いたところ、現在のところ茅台酒の、2023年と2024年の空瓶しか回収していないという。いずれも15年もののみ、1本300元(約6000円)で買い取っているという。これら空瓶を買い取った後、どうするのかを尋ねたところ、沈黙された、という。

偽物酒で2億円の売上

これらの空瓶がどのように使われているか、すでに当局が捜査し、摘発していることから、判明している。空瓶を回収して、その中にできるだけ安い別の酒を入れて、偽物として再販しているという。「偽物の販売は利益が高すぎる」と、業界関係者は眉を顰める。

もちろん中国でもこうした行為は違法だから、当局の摘発を受ける。上海市で2024年に摘発されたケースでは、犯人グループはインターネット上から空瓶やさらに中古の包装を安く仕入れ、ホテルやレストランにも行って、空瓶や包装をゲットし、偽物の酒を作り上げ、販売する。

その時摘発されたグループは1000万元(約2億円)以上の売り上げを上げていた、という。仕入れは空瓶や包装、安い酒ぐらいなので、この2億円のほとんどが利益となるという仕組み。

メーカーの対策も無意味

酒造メーカー側も対策を急いでいるが、ほとんど効果が無いようだ。例えば新品の高級酒にQRコードを付けて、これが本物であるということを認定するような画面を表示させる。しかし、これもすぐに偽造されてしまう、という。

メーカー自身が空瓶や包装の回収を行う、ということも検討されている。しかし、その値段設定が安すぎれば、ユーザーも闇業者の方に販売するようになるし、高すぎれば、経営に関わってくる。何ともできないのが現状だ。

転売ヤーも、カオス過ぎる

さらに、一部のユーザーは、それが偽装された白酒と知りながら、あえて購入している例もあるという。もちろん転売目的だ。そうなってくると、法律の解釈も難しくなり、中国でも当然悪質な転売ヤーは違法だが、そもそも偽物を製造したものとの量刑の兼ね合いが難しくなる、という。

中国では120万円の高級酒の問題も発生したばかりだが、日本ではここまで問題になるケースが皆無のため、本当に意味不明、理解不能。ただただカオス、みんな普通に生活しようぜ、と思いたくなる。

翻訳元：https://baijiahao.baidu.com/s?id=1793999248783415802&wfr=spider&for=pc