ざまあみろ！　日本のホタテ輸出が苦境との報道を受けて中国が反応

毎日新聞は2024年3月18日「苦境の国産ホタテ　中国依存の弊害大きく、輸出多角化に死角も」という記事を配信、中国がこれに食いつき、日本のホタテ輸出が中国のトレンドワードになった。

しかし日本では、中国代替としてのメキシコやベトナムという輸出多角化が進んでいる、との報道もあり、自分に都合のよい状況の一面にとらわれた中国のスタンスがまた、裏目に出る可能性がある。【動画で見る】

日本は中国にひれ伏すべし

中国側が報道した毎日新聞の記事について、日本政府や坂本哲志農相は積極的にベトナム及びASEANや、メキシコ当局にホタテの輸出先を打診、協議を進めているが、「うまくは進んでいないようだ」とした。

中国側報道では、毎日新聞でも報じられた「中国に依存しすぎ」という状況を詳細に紹介、暗に陽に中国依存から脱却は不可能、日本は中国にひれ伏すべし、という論調でまとめられている。

中国の技術力は世界一ィィィ!

今まで、中国に輸出された日本産ホタテは、中国で加工され、主に米国に輸出していた。米国ではホタテを鉄板で焼いて食すことが好まれており、しかし鉄板で焼いてしまうとホタテは縮小してしまう。

中国の加工業者はこの問題をクリアするために特殊な加工技術を開発、鉄板で焼いても米国人が好む程度のボリューミー感をホタテに残すことを可能にした、という。この技術は、「日本やベトナムなどには到底無理」と断定した。

中国だけが批判の現実

この記事には多くの中国ネット民からのコメントが寄せられている。

「英米に輸出しろ！英米は大々的に核汚染水の海洋放出を認めているのだから」

「直接欧米に輸出すればいいじゃん(注：米国は殻付きホタテの輸入を禁止しており、加工しなければ輸出できない)」

「どこかを経由して、中国に入ってくることを警戒しなければならない」

「この間、韓国が輸入した日本製の食品から基準値を超える放射性物質が確認されなかったっけ？やっぱヤバいよ」

「(中国の輸入禁止で、日本産ホタテの対中輸出が44％減少したことについて)まだ44％の減少にとどまっているの？　どこかのアホがまだここで稼いでいるのか？」

「日本人が自分で食えやいいじゃん。核汚染されていないって言ってなかったっけ？」

「日本人が自分で食わないってことは、よほど核汚染されているんだね。食べれば食べるほど死に近づく」

相変わらず中国では日本の処理水に関する嫌悪感は強いが、こんなこと言っているの世界で自分たちだけ、というのを知らない愚かさよ。

翻訳元：https://baijiahao.baidu.com/s?id=1794036678332695303&wfr=spider&for=pc

日本では別の切り口の報道も

一方、日本では同じテーマなのに別角度で本件をFNNプライムオンラインが「中国の輸入禁止でメキシコに活路　アメリカ向けホタテ加工」と報じている。こちらは「活路」、毎日新聞は「輸出多角化に死角」、完全に真逆だ。

日本では違うメディアが違う論調を報じるというのはごくごく一般的なことだが、中国では違う。メディアは統一見解をもって報じるべきだし、そもそも中国共産党がメディア統制しているからそうなる。

だからFNNプライムオンラインの報道は中国では報じられない。FNNプライムオンラインの記事によれば、メキシコの水産会社が初めてホタテの貝柱の加工に挑戦、その翌日に陸路で米ロサンゼルスに運ばれた料理がアメリカのバイヤーに好評だったらしい。

中国大損の可能性大

関係者は「アジアと一番違うのは、メキシコはアメリカと近いので、再冷凍をしなくていい。加水処理して再冷凍しない方が、素材本来の新鮮な味わいが保たれる」として、中国にはないメキシコの地理的優位性の大きさを的確に指摘した。

日本で加工処理をしない、できないのは、主に人手不足によるため。技術を当然膨大に有しており、客観的に見て、そこは中国の及ぶところではない。いくら中国が喚こうとも。

メキシコの会社がやる気を見せ、米国で売れる、となれば、日本は惜しみなくその会社に加工技術を提供するだろう。

そうなると、500億円近くあった対中ホタテ輸出の輸出先が完全にひっくり返り、逆に言えば、その500億円で生活していた中国人が路頭に迷うことになる。また壮大なブーメランが見られそうだ。